新規学卒就職者は３年以内に３割が退職すると一般的に言われている。平成１６年度には大卒者の３６．６％が３年以内に退職していたが、その後、離職率は緩やかに減少傾向となっている。
厚生労働省は新規学卒就職者の就職後３年以内離職状況について公表した。令和２年度における新規学卒者の離職率は、学歴別、卒業年別ともに例年に比べて低下しており、離職率の減少傾向が続いていることが明らかとなった。
資料によると、新規学卒就職者の離職率は高卒が３６．９％（対前年比２．６％減）、短大などが４１．４％（同１．６％減）、大卒が３１．２％（同１．６％減）となっている。これを企業の規模別に見ると、従業員数５人未満の企業では大卒の離職率は５６．３％、同５～２９人で４９．４％となっており、従業員数３０人未満の企業では、コストをかけてせっかく大卒の新規学卒者を採用しても３年以内に約半数が辞めていることになる。一方、１０００人以上規模の企業では離職率は２４．７％となっており、企業規模により離職率が大きく乖離していることも明らかとなっている。３年以内離職率は企業規模が大きくなればなるほど減少している。中小、零細企業にとっては厳しい結果と言えるだろう。
■参考：厚生労働省｜新規学卒就職者の離職状況を公表します｜
