沖縄防衛局の是正指示は適法 県知事の請求棄却―最高裁

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沖縄・普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古沿岸域に設置するための公有水面の埋め立てに関し、沖縄防衛局(被上告人)が沖縄県漁業調整規則41条に基づき県知事(上告人)に対し、埋め立て区域内に生息する造礁さんご類を区域外に移植することを内容とする採捕の許可を求める2件の申請をしたが、上告人は何らの処分もしなかった。

県の法定受託事務であるべき処理について被上告人が、法令の規定に違反するなどとして地方自治法245条の7第1項に基づき許可処分をするよう求める是正の指示をした。上告人が、指示は違法な国の関与に当たると主張、地自法251条の5第1項に基づき指示の取り消しを求める事案で、最高裁第三小法廷は上告人の請求を棄却した原審の判断を是認、同様に請求を棄却した。

最高裁は1件目について、水産動植物の採捕に係る許可に関する知事の判断は、裁量権の範囲の逸脱またはその濫用に当たると認められる場合には、地自法245条の7第1項所定の法令の規定に違反していると認められるものに該当すると認定。2件目についても、許可の申請について県知事において審査基準にいう申請内容の必要性を認めることができないと判断したことが裁量権の範囲の逸脱またはその濫用に当たると認めた。

■参考:最高裁判所|県知事において審査基準にいう申請内容の必要性を認めることができないと判断したことが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たると認められた事例(令和3年7月6日・第三小法廷・棄却)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90462