株式会社の債権者に該当 総会議事録閲覧権ある―最高裁

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株式会社(上告人)が、発行する普通株式とA種種類株式の併合を計画。株主総会、普通株式の株主による種類株主総会に諮り決議も成立した。同社株を保有していた被上告人は総会に先立ち、反対を通知した上で総会でも反対。会社法182条の4第1項に基づき株式を公正な価格で買い取ることを請求した。

価格決定に関する協議は調わず、被上告人は同条の5第2項所定の期間内に東京地裁に対し価格決定の申し立てをした。社側は同条5項に基づき自らが公正と認める額を支払った。本件は、被上告人が株式の価格支払い請求権を有しており、上告人の債権者に当たるなどと主張、同法318条4項に基づき株主総会議事録の閲覧と謄写を求める事案で、上記申し立ては、本件原審の口頭弁論終結時にて系属中に行われた。

最高裁は、被上告人が債権者に当たるとした原審は正当で是認できるとし、上告を棄却した。最高裁は、182条の4第1項に基づき株式の買い取り請求をした者は、同条の5第5項の支払いを受けた場合でも、株式の価格につき会社との協議が調い、またはその決定に係る裁判が確定するまでは債権者に当たると説示した。上告人は、被上告人は支払いを受けているから、価格が支払額を上回らない限り債権者に当たらないと反論していた。

■参考:最高裁判所|株式の買取請求をした者は会社法182条の5第5項に基づく支払を受けた場合であっても上記株式の価格につき会社との協議が調い又はその決定に係る裁判が確定するまでは同法318条4項にいう債権者に当たる(令和3年7月5日・第二小法廷・棄却)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90461