職場における熱中症での死亡者は平成28年に12人だったが、平成30年には28人へと急増した。その後、死亡者数は減少したものの、死亡を含む休業4日以上の死傷者数は、令和2年に再び増加に転じている。平成28年と比較すると、令和2年の死傷者数は倍以上だ。
厚生労働省では労働災害防止団体などと連携して5月から9月まで「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を展開している。熱中症の発生率は湿度と気温の上昇とともに増加する。梅雨を控え各職場では熱中症への注意を通常以上に払う必要がある。
死傷者数の多い業種は、建設業が215件、製造業が199件となっており、全体の4割以上がこの2つの業種で発生している。体調不良を訴える社員がいても「休ませて様子を見ていたところ容態が急変した」など管理が適切ではなく、救急搬送の遅れから死亡事故につながるケースも少なくない。それらの職場では、重篤な労働災害を防ぐために事業場におけるWBGT(湿球黒球温度)値の把握や緊急時の連絡体制の整備等が不十分であることもわかっている。同省では、「職場における熱中症予防基本対策要綱」に基づく基本的な熱中症予防対策を講ずるよう呼びかけている。
■参考:厚生労働省|令和3年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の概要|
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000746678.pdf