金融検査マニュアルで事例追加 正常運転資金に短期融資明確化

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金融庁では、金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕に新たな事例(事例20)を追加し、以下の趣旨を明確化した。

1.正常運転資金に対して、「短期継続融資」で対応することは何ら問題ない。

2.「短期継続融資」は、無担保、無保証の短期融資で債務者の資金ニーズに応需し、書替え時には、債務者の業況や実態を適切に把握してその継続の是非を判断するため、金融機関が目利き力を発揮するための融資の一手法となり得る。

3.正常運転資金は一般的に、卸・小売業、製造業の場合、「売上債権+棚卸資産-仕入債務」とされているが、業種や事業によって様々であり、また、ある一時点のバランスシートの状況だけでなく、期中に発生した資金需要等のフロー面や事業の状況を考慮することも重要である。

金融庁は以前平成14年に、書替えが継続している手形貸付等(「短期継続融資」)について、正常運転資金を超える部分は不良債権に当たるかどうかの検証が必要、との考え方を示していた。これを受け、一部の金融機関においては、正常運転資金の範囲内での融資であっても、「短期継続融資」による対応を差し控え、長期融資(多くは担保・保証付)で対応する動きも見られてきた経緯がある。

■参照:金融庁|「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を踏まえた「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」への新たな事例の追加について|

http://www.fsa.go.jp/news/26/ginkou/20150120-1.html