Weeklyコラム 他人(ひと)に学ぶ解決策

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現在、コロナ禍によって世界中の人々が種々の悩みを持っている。特に、中小企業の経営者・管理者は従来の経営課題とは別次元の悩みに立ち往生している。

例えば、飲食店が店舗設備・商品メニュー・接客技術の3大経営基盤を持っていても、実質的な経営活動が成り立たないのである。

さて、X飲食店のA社長と面談していて気づいた事がある。X店は売上が前年比半減したことで、資金繰りが非常に苦しくなった。A社長は1か月間寝食を忘れて対策を考えたが、自分の力だけではアイデアが出なかった。経験したことが無い状況下で、問題解決能力に自信を無くしてしまった。『論語』に、「わたしは前に一日じゅう食事もせず、一晩じゅう寝もしないで考えたことがあるが、むだであった。学ぶことには及ばない」とある(金谷治訳注、岩波文庫)。A社長に対しては、まずコロナ禍問題に役立つと思われる本を数冊読む事、もう一つは信頼出来る知人又は指導者・公的機関に相談する事を薦めた。

「情報は関心を持つ人に集まる」と言われる。A社長が外部に解決策を求めるようになると、業界紙・専門雑誌・広報紙等の情報にも関心を持つようになった。また、同じ悩みを持つ商売仲間が得たコロナ禍対応策等を積極的に教えてくれるようになった。