今国会で可決成立・施行された新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律に、新たに差別的取り扱い等の防止に関する規定が盛り込まれた。これを受け、政府はその内容の周知・徹底に取り組んでいる。
内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長が各都道府県知事および各府省庁担当課室あてに事務連絡を送り、管内市町村(特別区を含む)をはじめ、関係団体等に周知・対応を要請した。改正法に盛り込まれた偏見や差別を防止するための規定の対象は、感染者やその家族、医療従事者など。
具体的な事例は▽感染を理由に解雇▽回復しているのに出社を拒否▽病院で感染者が出たことを理由に、子供の保育園等の利用を拒否▽感染者が発生した学校の学生やその家族に対して来店を拒否▽感染者個人の名前や行動を特定し、SNS等で公表・非難▽無症状・無自覚で訪れた店舗から謝罪や賠償を強要される―など。国や地方自治体、民間団体などは、偏見・差別等の防止に向けた普及啓発、相談受付を実施している。相談受付は▽法務省=人権相談窓口▽厚生労働省=都道府県労働局▽文部科学省=児童生徒からのSNS等を活用した相談受付▽民間団体による相談受付=法テラス、日弁連、セーファーインターネット協会、一部地方自治体等。
■参考:内閣官房|「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律」における
差別的取扱い等の防止に関する規定の周知について|
http://www.hospital.or.jp/pdf/20_20210212_02.pdf