コロナ禍による緊急事態宣言により、多くの飲食業者や観光関連業者等は大変厳しい経営環境に陥っている。この苦難を乗り越える一手法を考えてみたい。
一般に、人は（会社や商店も同様）、安泰の時はあまり真剣な生き方を選択しないが、困難な時はその解決策や生き残り策を慎重に探るものである。安泰な時は、どんなに戦略経営（例えば、自店の経営資源を集中的に投入して店舗差別化を図る）の有用性を説いても、耳を傾ける経営者は多くない。経営相談会を催しても、経験上世の中が平穏な時は利用者が少ないものである。さて、今般のコロナ禍における経営戦略はどうあるべきか。大きく分けて、一つは現状からの「脱出作戦」であり、もう一つは「経営ビジョンの再構築」である。もちろん、大変な思考や決断力・覚悟が必要だ。前者は、各種経営規模（店舗数・店舗面積・従業員数・商圏等）を縮小したり、家族の一部が職業を変えたり勤めたりする事である。後者は、事業分野を一部入れ替えたり（極端な場合は業種転換）、店舗立地や品揃えを変更したりする事である。
以上のどちらが良いかは事業者の事情によるが、自店の経営資源（人材・人脈・資金調達力・商品力等）を洗い出し、効率的かつ独自の経営戦略を策定する事である。
