厚生労働省は令和元年度の「個別労働紛争解決制度の施行状況」を取りまとめた。
個別労働紛争解決制度は、労働者と事業主間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度で、「総合労働相談」、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つがある。 今回公表された資料によると、総合労働相談の件数及び助言・指導の申出件数は前年度より増加となった。あっせん申請の件数は前年度並みにとどまった。
総合労働相談件数は前年度比6.3%増で12年連続で100万件を超え、高止まり傾向が続いている。民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導、あっせんの申請件数のすべてにおいて「いじめ・嫌がらせ」が引き続きトップで、個別労働紛争の相談件数としては8年連続トップとなる。ついで「自己都合退職」、「解雇」、「労働条件の引下げ」、「退職勧奨」が続く。
「いじめ・嫌がらせ」以外の理由については大きな変動はないが、「いじめ・嫌がらせ」だけが突出して件数が増えている。労災の精神障害事案においても、いじめや嫌がらせなどが原因とされるケースが最多となるなど、根深い問題となっている。
■参考:厚生労働省|「令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します|
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000213219_00003.html