企業会計基準委員会は2月13日、実務対応報告公開草案第58号 「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」を公表した(3月9日まで意見募集)。
令和2年度税制改正では、連結納税制度に代えて、各法人が個別に法人税額等の計算及び申告を行うグループ通算制度が導入される運びとなっている。仮に税制改正法案が3月31日までに国会で可決、成立した場合には、繰延税金資産等の額は決算日において国会で成立している税法に基づき計算することとされているため、グループ通算制度を適用する企業は、3月期決算において、同制度の適用を前提として税効果会計の適用を行う必要がある。しかし、グループ通算制度は税額計算の基本的な仕組みが連結納税制度から変更されているため、3月末時点では繰延税金資産の回収可能性の判断が困難であるとの指摘がされている。
このため公開草案では、税制改正法案の成立日において連結納税制度を適用している企業を対象に、注記を要件として企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」第44項の定めを適用せず、改正前の税法の規定に基づくことができることを容認する。実務対応報告の公表日以後から適用される予定だ。
■参考企業会計基準委員会|実務対応報告公開草案第58号「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」の公表|
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2020/2020-0213.html