仮想発電所事業に免許制を導入 電事法の改正目指す―経産省

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報道によると、経済産業省は分散した発電所をまとめて運用する仮想発電所(バーチャル・パワー・プラント=VPP)事業に免許制を導入する。

導入に向け2020年の通常国会に電気事業法の改正案提出を目指す。VPPは、小規模で点在する太陽光や風力の発電設備と蓄電池を一括して制御し、あたかも一つの発電所のように機能させる仕組み。天候によって出力が変わる太陽光や風力をまとめて供給を安定させる。欧州で先行して広がっている。日本ではこれまで、電力大手や関連大企業がVPPを手がけてきた。「アグリゲーター」と呼ばれるVPP事業者に必要な要件を免許制によって明確にし、他業種が参入しやすくする。災害時に大手電力の発電所が停止した際、VPPが発電量の増加に応じることなども要件とする。

企業が特定の地域で工場や家庭までの電力供給に参入できる配電事業にも新たな免許制を設けることも盛り込む。免許を得た企業は太陽光と風力でつくる電気などを使い、配電網と呼ぶ電線を通じて供給する。配電とVPPの新規参入をうまく組み合わせて、地域の再生エネだけで需給調整しやすい状況を各地につくる。分散型の発電事業者増加を進めていくため、固定価格買い取り制度(FIT)の関連法の改正も視野に入れているという。