金融庁がまとめた9月末までの「顧客本位の業務運営」の取り組み成果によると、「顧客本位の業務運営に関する原則」を採択し取り組み方針を公表した金融事業者は1,729社で、前年同期に比べ241社増加した。
業態的には保険会社等・金商業者等へ、同一業態内でも大手から中小規模事業者へと広がりを見せた。うち836社(同420社増)が「自主的なKPI(重要業績評価指標)」を、357社(318社増)が「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPI」を公表した。
3月末基準の運用損益率0%以上顧客比率(単純平均)は、全業態平均で66%(274社平均)と前年比12%上昇。 ボリュームゾーンは、10%以上0%未満(2018年3月末基準)から0%以上+10%未満(19年3月末基準)へシフトした。業態別では対面証券や地域銀行対比、投資運用会社や協同金融が良好な水準だった。運用損益別顧客比率については128社(6月末比20社増)が時系列公表。主要行等や地域銀行で運用損益率0%以上顧客比率が上昇した先が多かった一方、対面証券では下落先が多かった。その他の業態では対象先数が少なく、傾向確認に至らなかった。同庁は、必要に応じて指標の見直しや新たな設定が望まれるとしている。
■参考:金融庁|「顧客本位の業務運営」の取組成果の公表状況について(令和元年9月末時点)|
https://www.fsa.go.jp/news/r1/kokyakuhoni/201911/fd_KPI.html