厚生労働省はこのほど、令和2年度税制改正の要望事項を公表した。
既存の税制のうち、持分なし医療法人への移行を後押しする「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置」については、適用期間(平成29年10月1日から令和2年9月30日)の3年間の延長を求めるほか、急な相続に対応するため、相続税の納税猶予期間の緩和措置を講ずる。平成26年度医療法改正により認定医療法人制度が創設されたが、現在、持分あり医療法人約4万法人に対して持分なし医療法人は約1万5千法人。特例の延長と拡充により、さらなる移行を促す。
創設を求める新規の税制は4件。うち、「医師少数区域等における医療法人の承継税制」は、人口減少からくる患者数の減少により医療機関の経営が継続困難となる中、地域医療の確保を支援する必要性から要望するもの。医師少数区域等にある医療機関について、一定期間の事業継続等を要件として、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等(持分放棄した場合、納税免除)の特例措置を講ずる。現行の認定医療法人制度が移行計画の提出後3年以内の移行を定めているのに対し、この特例では、事業継続の申請後、長期にわたる猶予期間後の移行を認めるものとなっている。
■参考:厚生労働省|令和2年度厚生労働省税制改正要望について|
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000175981_00005.html