例年10月をめどに発表される厚生労働白書だが、平成30年度版は通常より三ヶ月早く発表された上、障害者雇用水増し問題や統計問題について反省とお詫びが冒頭にくる異例のものとなった。
今回のメインテーマは「障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に」だ。障害者雇用、病気の治療と仕事の両立支援などに関する現状と課題を整理、持続的な社会の実現に向け必要な取組みに焦点をあてた報告となった。白書によると、障害や病気を有する者は一般の者より就業・就業継続の意思が強い。実際に就業することを困難だと感じているのは本人ではなくその他の者の割合が高い傾向にある。障害や病気を有する者がいる「職場への影響」では、「仕事の進め方について職場内で見直すきっかけになった」という回答が最多であり、職場全体としてはポジティブに受け止められていることも明らかとなっている。職場における「理解・意識改革」、「体制整備・働き方の見直し」、「連携」、「相談体制」が必要だ。
就労継続や社会参加など様々な選択肢を用意し、多様性を尊重することで地域共生社会の実現につなげ、消費の底上げや投資の拡大、生産性の向上により経済成長を加速を目指す内容となっている。
■参考:厚生労働省|「平成30年版厚生労働白書」を公表します|
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05530.html