職業を持っている人は、大抵の人が年数回以上の研修会に参加しているであろう。中には、職務上必要であっても、積極的に参加していない研修会もあろう。このような研修会は、講師の話を一応聞いているが、研修後は何もしない人が多い。
やむを得ず行う勉強や読書と同じで、研修後の復習や活用法等について考えないのである。研修を受けて学ぶ事も大事であるが、その後復習をしてもう一度考える事が大変有効である。実行してみれば良く分かる。
古人も、この問題には気づいていた。例えば、孔子の『論語』にこんな文がある。「学んで思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し。思うて学ばざれば則ち殆(あや)うし。(学んで考えなければ、ものごとははっきりしない。考えて学ばなければ、独断におちいって危険である)」(金谷治訳注、岩波文庫)研修会の復習や思索とは、研修資料等を読みながら講師の話を思い出す行為である。講師の話を聞きながら資料にメモや感想を書いたり、赤線を引いたりすれば後で役に立つ。復習は、研修直後一日以内に実行したい。間隔が長いと、聞いた話の記憶が薄れる為、復習の効果があがらない。しかも、研修から日が経つと意欲が低下する。研修会は、直後に復習を実行する事で本当に身に付くものだ。