金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループは「高齢社会における資産形成・管理」と題する報告書を公表。(1)現役期(2)リタイヤ期前後(3)高齢期―の3つのライフステージに分け、資産形成・管理について各ステージの留意点をまとめた。
(1)は早い時期から資産形成の有効性を認識し、少額からでも長期・積み立て・分散投資などを行って安定的な資産形成を図り、自らにふさわしいマネープランを検討する。(2)は、退職金がある場合、それを踏まえたマネープランを検討した上で、就労継続や収支の改善策を実行、併せて資産運用を継続し、計画的に取り崩す。(3)は、心身の衰えを見据え、マネープランを見直し、認知・判断能力の低下や喪失に備える。
また、金融サービス提供者は資産寿命を延ばす顧客の行動をサポートするため▽顧客にふさわしいサービスの提供、手数料の明確化、分かりやすい説明など顧客本位の業務運営▽サービスに見合った適切な対価の設定と説明▽「自助」充実のニーズ増に応じた資産形成・管理やコンサルティング機能の強化―が求められるとした。さらに、行政や業界団体などは資産形成制度の充実、高齢顧客保護など、資産経営・管理を支えるための環境を整備するよう提言した。
■参考:金融庁|金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書 の公表について|
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html