職場における熱中症での死亡者は年々増加している。厚生労働省では、労働災害防止団体などと連携して5月から9月まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開、重篤な労働災害を防ぐために事業場におけるWBGT(湿球黒球温度)値の把握や緊急時の連絡体制の整備等を重点的に実施する。
平成30年の職場における熱中症の発生状況は、死傷者数が1,178人、死亡者数は28人と前年と比較して死傷者数、死亡者数ともに2倍を上回る結果となった。死亡災害の発生状況を見ると、例年建設業などの屋外作業を中心に発生していたが、警備業が前年の3倍、製造業、運送業が前年の2倍となった。中にはWBGT測定器が事業場にないために、作業環境の把握や作業計画の変更ができていない例や、熱中症になった労働者の発見や救急搬送が遅れた例、健康管理を適切に実施していない例などが見られた。
WBGTはISO等で国際的に規格化されおり、基準値を超えた場合には熱中症の発生リスクが高まる。同省は熱中症予防に活用して熱中症リスク低減措置を徹底することが重要であるとし、作業場にWBGT測定器を設置することと、熱中症のリスクを過小評価せず日々各人の健康状態の管理を呼び掛けている。
■参考:厚生労働省|STOP!熱中症 クールワークキャンペーン(職場における熱中症予防対策)|
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116133.html