国税庁が公表した平成25事務年度(25年7月~26年6月)の法人税等の調査事績によると、海外取引法人等に係る源泉所得税等の調査で1,317件の非違が把握された。
これは前年度の1,291件を2.0%上回る。ただし、追徴本税額は計30億4,200万円で、前年度の43億7,700万円を30.5%下回った。このうち調査1件当たりの追徴本税額が2千万円以上の給与等に係る源泉徴収漏れが7件あった。追徴本税額2千万円以上の内訳のうち、35%と3割以上を占めた。
給与等の源泉徴収漏れは、年の中途で海外勤務をすることになった従業員等にボーナス等を支給する際に、非居住者として源泉徴収が不要と誤認していたなど、基本的なミスが多いようだ。非居住者に対する給与等は、国内の勤務に起因して支給されるものが国内源泉所得として課税の対象となる。年の中途で海外支店等に転勤した者について、国内・国外双方に対応する給与等を支給した場合は、勤務期間で案分することで国内勤務期間の源泉部分を算出し源泉徴収(税率20.42%)する必要がある。年の中途で海外赴任した内国法人の役員についても、赴任前の期間を対象に支給された賞与が国内源泉所得として取り扱われることを誤認したケースもあったようだ。
■参考:国税庁|平成25事務年度 法人税等の調査事績の概要|
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2014/hojin_chosa/pdf/hojin_chosa.pdf