国税庁は、保険料の二重払いに対し地方公共団体が保険料相当分を返還した場合の課税関係について厚生労働省が行った事前照会に、その内容で差し支えない旨回答した。
社会保険の未適用事業所が新たに加入する等で、使用される者が社会保険の資格を取得した場合、既に納付された国民健康保険料については遡及して、年度単位で減額の賦課決定を行い還付することになる。ただ期間制限の規定により、当該年度における最初の保険料の納期(通常6月末)の翌日から起算して2年を経過した日以後は賦課決定できないことから還付しきれず保険料の二重払いが生じ得る。照会は、市町村の判断により地方自治法第232条の2に基づく寄附として保険料相当分を返還する場合、被保険者において当該寄附を非課税として差し支えないかというもの。
国税庁は、資産への損害に対する見舞金等は非課税とされる(所得税法第9条第1項)こと、見舞金等の額が受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては課税しないものとされる(所得税基本通達9-23)ことから、二重払いという経済的損失に対する保険料相当額の寄附は実質的な還付にあたり社会通念上相当の理由があるとし、非課税として差し支えないとした。
■参考:国税庁|健康保険料と国民健康保険料の二重払いについて地方公共団体が被保険者に保険料相当分を返還した場合の課税関係について|
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/shotoku/20190125/index.htm