金融庁に設置された「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」は1月22日、「会計監査に関する情報提供の充実について-通常とは異なる監査意見等に係る対応を中心として-」と題する報告書を公表した。
報告書では、限定付適正意見や意見不表明など、通常と異なる監査意見等が表明された場合は、監査報告書に意見の根拠を十分かつ適切に記載することが必要としたほか、監査人の交代に関しては、実質的な交代理由が開示されていない点を問題として指摘している。
今回の報告書を踏まえ、東京証券取引所は「会社情報適時開示ガイドブック」を改訂している。例えば、監査人の交代については実質的な理由やその経緯を開示資料に具体的に記載することとしている。任期満了時に退任を決定する場合には、退任する公認会計士等を再任しない理由の記載が求められており、実務的には影響がありそうだ。また、期中に解任する場合又は短期間で退任を決定する場合には、期中又は短期間であるにもかかわらず、なぜ解任又は退任を決定することになったのかがわかるように記載するほか、会計処理等に関する見解の相違が存在するといった事情がある場合には、その具体的な内容を記載することが求められている。
■参考:東京証券取引所|「会社情報適時開示ガイドブック 2018年8月版」|
https://book.kanpo.net/category/select/pid/41776/