役員報酬の個別開示は見送り 会社法への導入は時期尚早

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法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会(部会長:神田秀樹学習院大学法科大学院教授)は、会社役員の報酬等の情報開示を充実させる方向で会社法を見直す方針だが、個別開示については見送ることが判明した。

今回の会社法の見直しでは、会社役員の報酬等について、(1)報酬等の決定方針に関する事項(2)報酬等についての株主総会の決議に関する事項(3)取締役会の決議による報酬等の決定の委任に関する事項(4)業績連動報酬等に関する事項(5)職務執行の対価として株式会社が交付した株式又は新株予約権等に関する事項(6)報酬等の種類ごとの総額を公開会社における事業報告で開示することとする方向だが、論点となっていたのは会社役員ごとに個別開示を行うかどうかだ。

この点、事務局の法務省では、金融庁の金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループでも引き続き検討課題とされているほか、上場会社以外も対象になり得る会社法で導入することは時期尚早であると最終的に判断した模様だ。また、金融商品取引法では1億円以上の取締役の報酬等は開示されているが、会社法でこの1億円基準を採用することに肯定的な意見はあまりなかったと説明している。