厚生労働省は年次有給休暇を取得しやすい環境整備を推進するため、広報活動を行っている。10月は次年度の年次有給休暇の計画的付与制度について労使で話合いを始める前にあたるため、同省では同月を「年次有給休暇取得促進期間」としている。
ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議において策定された「仕事と生活の調和推進のための行動指針」では、2020年までに有給休暇の取得率を70%とすることが目標とされているが、道のりは険しいと言えるだろう。近年微増傾向にあるものの取得率は依然として50%を下回っている。
一方、労働基準法の改正により、2019年4月から使用者は、年10日以上の年次有給休暇が付与されるすべての従業員に対し、毎年5日間について時季を指定して年次有給休暇を与えることが必要となる。従業員が自発的に5日以上の有給休暇を取得していれば対象外だ。つまり、最低でも年間5日は有給休暇を取得させる必要がある。厚生労働省では、事業場全体の休業による一斉付与方式、班やグループ別の交代付与方式、計画的付与による個人別付与方式を提案している。それぞれの企業や事業場の実態に応じてよりよい付与方式を早めに模索しておくべきだろう。