審査請求人が請け負った公共工事について、事業年度末までに未完成だったとして請負代金の額を未成工事受け入れ金として経理し、法人税・消費税・地方消費税の確定申告をした。原処分庁は、当該工事は当該事業年度末までに完成し引き渡しているから、請負代金の額から消費税等の額を控除した額を当該事業年度の益金の額に算入すべきだなどとして、各更正処分等をした。
請求人が、翌事業年度にも現場管理を継続していたのだから工事は未完成であり、益金の額に算入すべきではないとして、全部取り消しと延滞税の減額を求めた。国税不服審判所は29年10月4日付で、請負代金の額は本件事業年度の益金の額に算入するのが相当だと裁決。ただし、同額にはバリケードの賃借料の一部が算入されていなかったとして、原処分の一部を取り消した。
審判所は▽本件工事には設置したバリケードの管理や施工区域の管理等は含まれていない。請求人は発注者に竣工届を提出し、工事完了年月日付で請負代金の残額を請求した▽発注者は請求人に対して検査通知書を発行、同日以降、設置したバリケードの管理や施工区域の管理等をしていた―ことからすると、請求人は発注者に対して同日までに工事の全部を完了して引き渡したものと認められるとした。
■参考:国税不服審判所|本件工事の全部を完了・引き渡しにて請負代金の益金算入が相当とした事例(一部取消し、他棄却・却下・平成29年10月4日裁決)
http://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0201050000.html#a109