こんな経験をした事はないか。得意先へ商品の売り込みを割り当てられ、訪問のアポイントメント取りを予定した。いざ電話をしようとしたが気後れし、着手を一日延ばしにした。問題は、こんな時の反省心である。
「自分はなぜ心が弱いのだろうか。どうしたら恐れない強い心を持てるのか」と。 筆者にも経験があるが、優先順位が高い仕事であっても、やる気が出るときを待っていると先延ばししてしまうものだ。重要な取引先ほど、電話の相手や訪問先の社長が苦手という傾向がある。相手を好きになるように努力するが、思うようにならない。ところが、偶然ある人の指導を受けて考え方が心機一転した。「嫌いな人を好きになれ」「失敗を恐れるな」「侮辱的な言葉を気にするな」等というような指導は間違いだと言う。つまり、訪問先の担当者や社長等が苦手であっても、会う必要があれば心はそのままにやるべき事を実行する事だ。怖ければ,震えながらでも構わない。
ある有名な歌舞伎役者は、自信満々に見えるが、実は毎日震えながら舞台に立つという。これを聞いた時は、涙が出る程に感動した。何かに挑戦する心構えとは、自己の弱い心を克服した後に立ち向かう事ではない。弱い心のままに、震えながらでも良いから、とにかく実行に突入する事だ。