政府は閣議決定した30年版観光白書の中で、29年の訪日外国人旅行者数が2,869万人で、前年比19.3%も増加したことを明らかにした。同年の訪日外国人旅行消費額は4兆4,162億円で、同17.8%の大幅増。訪日外国人旅行者と消費額の増加は、日本経済に幅広い影響をもたらし、観光が経済成長の主要エンジンへと変化しつつあるとの見方を示した。
白書によると、訪日外国人旅行者の増加は29年に、越境EC等を通じて6,000億~8,000億円程度の購買と宿泊業の建築投資約1兆円弱を含む企業の投資などを創出。宿泊業のみならず、素材、機械、飲料、製菓、交通事業者、外食産業など幅広い業種にインバウンド対応投資を誘発。北海道から沖縄まで幅広い地域に波及し、人々の景況感の形成を左右する重要な要因へと変化した。近年の経済成長に対し、観光の規模(対名目GDP比)をはるかに上回る貢献(約2.6倍)をもたらした。
他方、32年の目標へはまだ道半の過程であるとして、目標に近づくことで、観光の比較優位性や経済成長への貢献度がさらに高まり、日本経済の成長を牽引する主要産業への変貌が見込まれると予測。そのためにも目標実現に向けてさらなる高次の施策の展開が不可欠との認識を示した。
■参考:観光庁|「平成29年度観光の状況」及び「平成30年度観光施策」(観光白書)について|
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000357.html