経済協力開発機構(OECD)の第9回税務長官会議が10月23、24の両日、アイルランドのダブリンで開かれ、税源浸食と利益移転問題への対応など国際課税における多国間協調、納税者の自発的コンプライアンスの向上、今後の長官会議の方向性などについて意見を交換した。
会議は閉幕にあたり声明を発表、グローバルな税務リスクの発生に迅速に対応できるよう、税務当局間の協力強化に向けた戦略で合意したとし、国境を越えた租税回避に重点を置いた新たな国際的基盤である「JITSICIネットワーク」を創設したことを明らかにした。また、税務に関するコンプライアンスについて原則を策定。これを中小企業部門にも拡充することによって、透明性を確保しつつ、税務の確実性の向上やコスト低減を享受できるようにすることで合意。二重課税問題に関して、相互協議手続きの運用改善でも一致した。
これにより二重課税問題に、より迅速かつ効率的に取り組んでいけるようになる。税源浸食と利益移転問題は、9月に開催されたG20財務相会議でも主要議題となり、世界的に金融口座情報を迅速に自動的に交換する必要で合意していた。会議には38カ国・地域の税務長官クラスが参加。日本からは林信光国税庁長官が出席した。
■参考:国税庁 | ニュースリリース
<https://www.nta.go.jp/sonota/kokusai/oecd/press/201410.htm>