名古屋国税局は、株式の保有関係が変更している場合の支配関係の継続要件の判定についての事前照会に対して、合併法人は被合併法人が保有する未処理欠損金額を引き継ぐことができる旨、文書回答した。
事前照会したのは飲食事業を営む企業。同社は、甲(個人)が20年以上前に設立した飲食業を営むA社とB社の発行済み株式の100%を甲から取得、経営合理化の観点から30年2月にA社を合併法人、B社を被合併法人とする吸収合併を行う予定。合併は適格合併に該当するが、法人税法第57条第3項に規定する共同で事業を行うための合併には該当しない。B社は未処理欠損金額を有し、合併に伴いA社がこれを引き継ぐためには、両社間に24年5月1日から継続して支配関係があることが要件となる。照会の趣旨は、株式取得により支配関係がいったん途切れてしまうようにも考えられるが、未処理欠損金額を引き継ぐことが可能か、というもの。同社と甲の間に資本関係や取引関係等はない。
同局は、株式取得によりA社とB社の親会社(一の者)は甲から同社に変わるものの、株式取得の前後を通じてA社とB社の間の支配関係が継続していることに変わりはなく、継続して支配関係があるとの見解を示し、その上で上記の結論を導いた。
■参考:国税庁|株式の保有関係が変更している場合の支配関係の継続要件の判定について|
https://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/hojin/171212/index.htm