企業会計基準委員会は現在、「仮想通貨に係る会計上の取扱い」について検討しており、11月頃にも実務対応報告の公開草案を公表する方針だ。同委員会では、対象とする仮想通貨の範囲を資金決済法上の仮想通貨とすることを前提として会計処理の策定を進めている。このうち、仮想通貨の期末評価の取扱いについては、「活発な市場」が存在する場合には時価により貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額は当期の損益として処理するとしている。
この「活発な市場」については、これまで複数の仮想通貨取引所又は仮想通貨販売所で取り扱われているかを判断規準としていたが、仮想通貨交換業者の業界団合などの意見を踏まえ、当該仮想通貨が売買・換金を行うことが可能な程度に十分な流動性を有しているかどうかの観点から判断を行う方向になっている。
また、「活発な市場」が存在する場合の仮想通貨の時価の算定方法については、自己の取引実績の最も大きい仮想通貨取引所等における取引価格を市場価格として使用する。なお、自己の運営する仮想通貨取引所全体の取引量に対して自己の取引量の割合の重要性が低い場合には、当該自己の運営する仮想通貨取引所における取引価格を市場価格とすることも容認する。