マイナス金利のガイダンス 年内公表が目標も方向性見えず

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企業会計基準委員会では平成29年3月に実務対応報告第34号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い」を公表している。

実務対応報告では、退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、「利回りの下限としてゼロを利用する方法」と「マイナスの利回りをそのまま利用する方法」のいずれかを認めている。

しかし、適用期限が平成30年3月30日に終了する事業年度までとされているため、企業会計基準委員会では平成30年3月31日以後のガイダンスを平成29年中にも定める方針を示している。

とはいっても委員会での議論はあまり進んでいない状況だ。年末までに最終化するにはそろそろ公開草案を公表すべき時期に来ているが、現時点では「利回りの下限としてゼロを利用する方法」と「マイナスの利回りをそのまま利用する方法」のどちらの方法を採用するのか方向性は全く見えていない。このため、企業出身の専門委員からは、実務への影響を考慮すれば、実務対応報告第34号の適用期限を延長すべきではないかなどの意見も聞かれている。