金融庁は5月29日、スチュワードシップ・コード(改訂版)を公表した。今回の改訂は、昨年11月30日にフォローアップ会議から意見書が公表されたことを受けてのものだ。
改訂版では、機関投資家に対して、個別の投資先企業及び議案ごとに公表すべき旨が明記された。それぞれの機関投資家の置かれた状況により、当該公表が必ずしも適切でないと考えられる場合には、その理由を積極的に説明すべきとしている。
運用機関に対するガバナンス・利益相反管理等についても詳細にコードに盛り込まれた。運用機関については、議決権行使や対話に重要な影響を及ぼす利益相反が生じうる局面を具体的に特定し、それぞれの利益相反を回避し、その影響を実効的に排除するなど、顧客・受益者の利益を確保するための措置について具体的な方針を策定し、公表すべきであるとした。また、顧客・受益者の利益の確保や利益相反防止のため、独立した取締役会や、議決権行使の意思決定・監督のための第三者委員会などのガバナンス体制を整備すべきであるとされた。
なお、現在コードを受け入れている機関投資家に対しては、平成29年11月末までに、改訂内容に対応した公表項目の更新を行うことを求めている。