法務省の法制審議会民法(相続関係)部会はこのほど、第19回会議を開催、部会資料19-1および2に基づき(1)相続人以外の者(特別寄与者)の貢献を考慮するための方策(2)長期居住権の内容および成立要件(3)長期居住権の簡易な評価方法(4)遺言事項および遺言の効力等に関する見直し―について検討した。
(1)について中間試案は、相続をめぐる紛争の複雑化、長期化を防止する観点から、請求権者の範囲を限定する「甲案」と、寄与行為の態様を限定する「乙案」を併記したが、今回は「乙案」を基本とし、さらに検討を進めるとした。ただ、パブリックコメントで「甲案」の親族関係による限定を設けることに合理性があるとする意見も複数あったことから、ブラケットを付してその旨の規律も記載。
また、紛争の複雑化、長期化を防止する観点から(a)権利行使期間の制限(b)権利行使手続―等検討するとした。中間試案は(a)について、特別寄与者の請求は限定承認、財産分離または相続財産破産の各手続きが開始された場合にはできないとしたが、それにより不都合が生じる等考えられることから、今回の資料は、相続財産が債務超過である場合には特別寄与者の請求権は認められない旨を直接規定するとしている。
■参考:法務省|相続人以外の者の貢献を考慮するための方策等 |
http://www.moj.go.jp/content/001222141.pdf