Weeklyコラム 社員研修効用の現れ方

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関与先の社員研修を数か所担当している。従来から疑問に思うことは、なぜ社員研修の効用の現れ方は企業によって全く違うのかということである。

X社(婦人服小売業)は、毎月外部講師に依頼して陳列・POP技法や販売・仕入法等の研修を実施している。実践的な教育方法により、確かに社員の接客力や売上に貢献している。しかし、研修が会社の利益を目標にしている為か、社員としての基本的素養(気配り・目配りや社員同士の協力心等)の発展になっていないようだ。研修会を苦痛な残業と見做して、欠席率も高い。Y社(食品卸及び小売業)の社員は、毎月の研修を自己啓発のチャンスと考えている。その半分は日常業務に関係無いようなテーマで実施される(「日本の農業事情」「読書における本の選択法」「家計の管理法」等)。研修後は、食事をしながら講師と懇談し、自分の意見を述べたり、読書法等を質問したりする。3年継続した結果は、「社員の定着率が高まった」「社員の提案が増えた」等の評価が得られた。

前掲冒頭の疑問に対する筆者の回答としては、次の点を配慮することが大切と考える。(1)研修時間の全てを会社の利益のみに使わない(2)研修後、社員の自己啓発や社員同士の情報交換に役立つことである。