相互協議の処理件数1割増 事前確認8割、他移転価格課税

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国税庁は先般、平成27事務年度における相互協議の状況を発表した。発生件数は、前事務年度から若干増加して195件。処理件数は1割増の155件であったが、発生件数が処理件数を上回ったため、27年度末の繰越件数は465件となり3年連続の増加となった。

発生件数、処理件数いずれにおいても、事前確認に係るものが約8割を占め、移転価格課税その他に係るものは約2割となった。処理事案を業種別に見ると製造業が99件、 卸売・小売業が40件。対象取引別内訳では棚卸取引が116件、役務提供取引が84件、無形資産取引が61件となった。処理事案1件あたりに要した平均的な期間は26.0か月(前事務年度22.4か月)、うち事前確認に係るものについては25.7か月(同22.2か月)であった。

相互協議の相手国・地域の数はこの5年間、おおむね横ばいで推移。繰越事案のうち米国(31%)が最も多く、中国(18%)、韓国(10%)、インド(9%)、英国(6%)が続いている。 相互協議事案全体の発生件数の29%、処理件数の15%、繰越件数の35%を占めるOECD非加盟国との間の事案について、1件あたりの平均的な処理期間は33.3か月で、事前確認に係るものでは41.4か月かかっている。

■参考:国税庁|平成27事務年度の「相互協議の状況」について|

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/sogo_kyogi/index.htm