厚生労働省は高年齢者が健康で、意欲と能力がある限り働き続けることができる生涯現役社会の実現を目指している。これは少子化による労働力不足解消にも効果が期待されている。同省では生涯現役社会の実現のために、「平成27年度業界別生涯現役システム構築事業」を実施、全国各地域の中核的な役割を果たす各業界団体における「生涯現役雇用制度の導入に向けたマニュアル」を取りまとめた。
製造業8団体、建設業4団体、情報通信業2団体、医療・福祉業1団体、サービス業3団体等、合計21団体における生涯現役社会実現のための雇用マニュアルが開示されている。ある団体では生涯現役雇用制度導入にあたり、11ヵ月かけて検討した企業の導入例があげられている。
社内のトップや各部署の幹部のほか、外部の社会保険労務士等で構成される社内検討委員会を設置、自社における年齢別の人員構成の確認や制度導入のメリット及びリスクの整理、問題点の洗い出し等を行い、実際に導入する制度の検討、社員への説明会の開催等を経て、就業規則の改正、労使協定の締結、行政機関への届出という流れが紹介されている。生涯現役雇用制度は貴重な人材活用の一環になり得る。他社事例を参考に検討してみてはいかがだろうか。