相続財産に該当せず 家族名義の預貯金等で不服審
被相続人が残した形となった家族名義の預貯金等が相続財産に当たるかどうかが争われた事案で国税不服審判所は、その管理状況、原資となった金員の出捐者および贈与の事実の有無等を総合的に勘案すると、被相続人に帰属する相続財産とは認められないと裁決。原処分庁が行った相続税の各更正処分および重加算税の各賦課決定処分について取り消しを求めた審査請求人(共同相続人)らの主張を全面的に認めた。裁定は25年12月10日付。
原処分庁は、請求人らの申述と代理人の金額の移動状況等資料に基づき、総合的に勘案すると被相続人の相続財産に該当するとし、相続財産として申告しなかったことは事実の隠ぺいまたは仮装行為に当たると主張。請求人らは異議申し立てをし、審理庁は処分の一部を取り消す異議決定をした。その後、請求人らは、原処分に不服があるとして審査請求をした。国税不服審は▽原処分庁は使用印鑑の状況や保管場所などの管理状況について何ら具体的に主張立証を行わず、出捐者についても同様である▽審判所の調査の結果でも、総合的に勘案するといずれに帰属するのかが明らかでない▽したがって、被相続人に帰属する、すなわち相続財産に該当すると認めることはできない―と結論付けた。
■参考:国税不服審判所ホームページ
<http://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0305020000.html#a93>