浮き彫りになる中小企業の後継者問題

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浮き彫りになる中小企業の後継者問題

かつては中小企業の後継者は、創業者一族や代表の身内から選任されることが当たり前の時代もあったが、現在はなかなかそうもいかないようだ。家業を継ぐより、大手企業に就職した方が安全という考え方も広まっており、また、適任者が社内にいないという理由もあり、後継者不在による廃業というケースも頻発している。

実際、海外の企業ではそのような後継者不在の優良な中小企業を買収する動きもある。東京商工リサーチのデータによると、昨年1年間で約3万社の中小企業が廃業している。主因は後継者不在によるものだという。

また、内閣府の「2014年版高齢社会白書」によると、経営者の約3割が65歳を超える上、国内企業の3分の2にあたる65.4%の企業で後継者不在となっている。昨今、大企業で「プロ経営者」という言葉が使われ始めているが、中小企業の後継者は「子ども」が約40%、そのほか、配偶者や親族を合わせると約70%になるという。

できれば身内に、という心情はわからなくもないが、それでも企業は社会の公器でもあるはず。不適任の身内の後継者でも困るし、後継者不在もまた問題だ。事業主は、いつどのタイミングで後継者を選ぶのかを事前によく検討し、対策を講じる必要があるだろう。