日本貿易振興機構(ジェトロ)が10~11月にロシアに進出している日系企業を対象に行った経営実態に関するアンケート調査で、2015年の営業利益見込みは「黒字」が49.5%と最も多かったものの、前回14年度調査を3.7ポイント下回り、過去3回の調査で初めて半数を割ったことがわかった。
他方、前年比での改善・悪化の割合は、「改善」が前回調査よりも微増し35.5%となった。営業利益の改善要因として「現地市場での売上増加」を挙げたのは前回調査から大きく減少、市場の冷え込みを反映した形となった。悪化要因として「為替変動」を挙げたのは71.0%にのぼった。その他「調達コストの上昇」など為替変動に関連する項目も回答企業が増加した。
16年の営業利益については、15年と比べて「改善」を見込む企業が最も多かったが、前回に比べ5.9ポイント低下。ロシア市場の回復に対しては依然慎重だ。投資環境全般のメリットは「市場規模/成長性」が最も多く、魅力は依然「潜在的市場性」にあることが浮き彫りとなった。逆にリスクに関しては「不安定な為替」が最も多く、ルーブル安の進行に伴う影響を反映する結果となった。他方、「人件費の高騰」がその割合を大きく下げるなど、逆の意味で為替変動の影響を受ける例も見られた。
■参考:JETRO|2015年度「ロシア進出日系企業実態調査」の結果について|
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2015/67f40c397dcd0270.html