弁護士や労働組合などを中心に、あらゆる賃金不払いを一掃しようとするプロジェクト「NO MORE 賃金泥棒」プロジェクトがスタートした。どこかで聞いたようなフレーズと動画が話題になっているが、これは映画館で上映される「NO MORE 映画泥棒」のパロディ。
動画やパロディとしての質の程度はさておき、このプロジェクトでターゲットにしているのは、「着替えを済ませないと出勤時のタイムカードが押せない」、「最低賃金より安い」、「残業代が払われない」などだが、動画の中で「時給を1分単位で計算せず、ちゃっかり切り捨てるのも犯罪です」と言い切っている点が注目を集めている。
実務的に、時給者の労働時間を毎日1分単位で集計している方が少数派という指摘もある中、この文言だけが独り歩きすることを懸念する声があがっている。こうなると1分単位で労働時間を集計していない=ブラック企業という烙印まで押されかねない。思わぬ横槍に顔をしかめている経営者も少なくないだろう。
実際、この流れを受けたせいか、求人情報誌には「時給は1分単位で計算しお支払いします」といった表現が目立つようになっている。プロジェクトの影響で1分単位集計が当然の時代がくるかもしれない。