協会けんぽの財政改善 保険料率の行方は?

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春の恒例行事となりつつあった協会けんぽの保険料率引上げ。今年は全国平均で据え置きの上、介護保険料率が引下げという予想外の展開になった。

しかし、来年の春にはまた引上げが進むだろうと多くの事業主は戦々恐々としているのではないだろうか。毎年引き上げられる厚生年金保険料率と相まって、社会保険料の負担の重さは経営の大きな足かせとなっているのは事実だろう。

そこで気になるのが、協会けんぽの財政状態だ。先般公表された資料では、平成26年度の決算は大幅な黒字見込となった。これで5期連続の黒字を達成したことになる。被保険者の賃金増(0.6%増)と年金事務所による社会保険未適用事業所への指導等による加入者増(2.5%増)が功を奏したようで、保険料収入は2,464億円の増となった。支出増は1,884億円で、その他の収入・支出を合わせた収支差は3,726億円となり、前年度比1,860億円増となった。この結果、準備金の残高も1兆647億円となり、協会けんぽ設立以後、最高額に達している。財政的には、来年の春は保険料率据置きまたは引下げの可能性も期待できる状況だ。

保険料率についてもデフレにという事業主の声が協会けんぽに届くことを期待したい。