プロパー貸出重視の傾向強まる 信用保証調査―日本公庫

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日本政策金融公庫が金融機関を対象に実施した信用保証に関するアンケート調査結果で、金融機関の間で信用保証付き貸出よりプロパー貸出(信用保証協会の保証等がなく、金融機関の全責任で実行する融資)を重視する傾向が強まっていることがわかった。金利競争激化等を反映したものだ。

日本公庫が定例調査と同時に行った特別調査によると、「プロパー貸出を重視」が42.3%と「信用保証付貸出を重視」の9.4%を大幅に上回った。プロパー貸出を重視する理由は「金利競争の激化」が69.2%で最多。次いで「新規先(他機関の取引先)の開拓」、「保証料の割高感」の順。

プロパー貸出を重視するようになった貸出先の特徴は、「定性情報(経営手腕、技術力、販売力および事業将来性等)を再評価した先」が最多。次いで「成長分野(環境・エネルギー、医療・介護等)に該当する先」。その一方、「担保余力が乏しい先」や「業歴が浅い先」は少数にとどまった。

定例調査でも2015年度の信用保証付き貸出D,I,はマイナス7.8(見通し)と、11年度下期以降8期連続でマイナスとなり、貸出スタンスの変化がうかがえる。一方、15年度上期の中小企業向け貸出D,I,はプラス3.8(同)となり、13年度上期以降5期連続でプラスとなった。

■参考:日本政策金融公庫|信用保証に関する金融機関アンケート調査結果の概要 (2015年度上期調査)|

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/shiyohosyo150629_1.pdf