金融庁が公表した「経済財政運営と改革の基本方針2025」および「新しい資本主義実行計画2025改訂版」では、経済・社会基盤の強化に向けた金融分野の重点施策が示された。
まず、物価上昇を上回る賃上げの定着を目的に、地域金融機関による中小企業支援や経営者保証に依存しない融資慣行の構築、人への投資や事業承継支援が強化される。また、地方創生に向けては、金融資本の地域循環を促すため、インフラ整備や金融仲介機能の高度化が図られる。
さらに、スタートアップ支援では、非上場株式市場の整備やベンチャーキャピタルのガバナンス強化、インパクト投資推進が掲げられ、東証グロース市場の見直しも進められる。資産運用立国の実現では、NISA制度の利便性向上、金融教育強化、地方での資産形成支援体制の構築が盛り込まれる。
企業の説明責任向上では、開示制度改革やコーポレートガバナンス強化が進められる。加えて、安心・安全な金融環境の整備として、マネロン・詐欺対策や高齢者保護、課徴金制度の見直し等が推進される。
以上「賃上げ」「地方創生」「スタートアップ・資産運用立国」「企業透明性」「安全・安心」の5分野にわたり、具体的政策の整備・制度改革・体制強化を包括的に実行しようとする意図を明確化している。
■参考:金融庁|政府方針における金融庁関連の施策|