サイバーセキュリティ戦略会合 技術的防御から国家戦略へ

令和7年7月1日に開催された第1回サイバーセキュリティ戦略本部会合では、日本のサイバーセキュリティ環境の現状と今後の対応方針が示された。現状として、サイバー攻撃は国家や社会機能に深刻な影響を及ぼす脅威となっており、政府は全体的な統制・調整機能の強化を急務と認識している。

これを踏まえ、監視・分析体制の強化では、政府ネットワークのリアルタイム監視やログ分析、迅速な初動対応体制の整備が重要視された。また、サイバー対処能力強化法に基づく基本方針の整備として、能力目標の明確化や府省間連携、官民協力体制の構築が求められた。あわせて、戦略本部やCISO連絡会議に加え、下部組織や専門会議体を再編し、政策立案から実行・評価まで一体的に推進する体制が提示された。

重要インフラ対策では、電力・通信・金融分野などへの基準設定と監査体制の整備、継続的モニタリングによる実効性向上が焦点となった。今後の戦略では、人的リソースの確保、インシデント対応力の強化、評価・監査機能、国際連携、ガバナンス強化の5点が柱とされ、従来の技術的防御重視から国家戦略フェーズへと進化し、官民連携のもとで強靭なセキュリティ体制を構築する方向が明確化された。

■参考:サイバーセキュリティ戦略本部|サイバーセキュリティ戦略本部・第1回会合(令和7年7月1日)|

https://www.nisc.go.jp/council/cs/index.html