中小、サービス業中心に 活発化する他県等への本社移転

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2024年度における企業の本社移転動向について、東京商工リサーチが発表したレポートによれば、他都道府県への本社・本社機能の移転企業数は1万6,271社となり、前年度比18.7%増と大幅な増加を示した。これはコロナ禍の収束に伴う経済活動の再開や人流の回復、需要変化への対応が背景にある。

地区別では、九州が転入超過数プラス148社でトップとなり、製造業と情報通信業が全県で転入超過となった。これはTSMCの進出などによる半導体関連産業の活況が影響している。次いで中部がプラス147社で続き、特に関東からの転入が目立った。一方、関東はマイナス284社と最大の転出超過を記録し、東京都から隣接県への流出が顕著である。

産業別では、サービス業他が6,211社(構成比38.1%)で最多となり、次いで情報通信業が2,031社、小売業が1,757社と続いた。これら3産業で全体の約6割を占めており、比較的小規模な事業者が多く、意思決定の早いことが要因と考えられる。特に情報通信業は、リモートワークの定着により、都心から地方への移転が加速している。

全体に中小・零細企業の地方移転が顕著であり、今後も、地域経済の活性化や産業構造の転換に向けた動きが注目される。

■参考:東京商工リサーチ|2024年度「本社機能移転状況」調査|

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201428_1527.html