厚生労働省は12月6日、「不妊治療と仕事両立できていますか?両立支援ガイドブック」を公表した。同ガイドブックには、企業における取組例や、不妊治療と仕事を両立する方の声、同省が活用を推奨している「不妊治療連絡カード」(労働者が企業に対し不妊治療中であることを伝える際や、企業の制度等を利用する際に提出するもの)の紹介、不妊治療と仕事の両立に係るトラブルの相談先等が掲載されている。
不妊治療を受ける方は増加傾向にあるが、仕事と治療の日程調整が難しいこと等から、その両立で悩む人も多い。「令和5年度 不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」によると、不妊治療をしたことがある(または予定している)労働者の中で「仕事との両立ができなかった(できない)」とした人の割合は26.1%と、4人に1人以上となった。
職場での対応にも注意が必要だろう。不妊治療を含む、妊娠・出産等に関する否定的な言動や不利益な取扱いは、ハラスメントに該当する場合があるため、本人からの相談や報告には慎重に対応すべきだ。職場の上司や同僚は、本人のプライバシー保護に留意しつつ、必要に応じて通院への配慮や業務体制の見直し等を行い、職場内の理解の醸成に努める必要がある。
■参考:厚生労働省|不妊治療と仕事両立できていますか?-両立支援ガイドブック-|
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001317072.pdf