今年9月、中国・深センで日本人学校に通う男児が襲われ、死亡した事件が日本企業に波紋を広げていることから、東京商工リサーチは「中国の日本人駐在員に関するアンケート調査」を実施、その結果を発表した。それによると、今回の事件を受け、「駐在員に注意を喚起した企業」は83%と、8割を超えていることが明らかになった。
また、数は少ないが、「駐在中の従業員に家族の帰国を促した企業」は2.6%、「新規駐在を停止した企業」は1.7%、「新規駐在の場合、家族帯同を原則禁止した企業」は0.8%あり、今回の事件が改めて中国ビジネスの難しさを浮き彫りにした格好となった。同社は「駐在員と家族の安全面への不安を引き金に、中国ビジネスの転換を迎える可能性も出てきた」とみている。
中国での駐在員について、駐在を「させている」企業は2.7%、「させていない」企業は97.2%で、約3%の企業で日本人駐在員がいることが分かった。規模別では、大企業が14.1%、中小企業が1.5%と、圧倒的に大企業が多い。この調査は10月1日から8日まで、中国で日本人男児が殺害された事件を受け、企業向けにインターネットにより実施し、5793社から回答を得て、集計・分析した。
■参考:東京商工リサーチ|2024年10月「中国の日本人駐在員」に関するアンケート調査|
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198987_1527.html