中小企業の賃上げ平均4.0% 2000年以降過去最高に

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物価上昇に追いつくようにと、賃上げが進んでいる。企業規模を問わず、賃金引上げは優秀な人材の確保の必須条件となっており、待遇改善は避けて通れない経営課題となっている。

経団連が公表した春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)の最終集計によると、2024年春季労使交渉において集計可能な17業種389社の総平均は1万712円(4.01%)となった。前年の8,012円(3.00%)を上回り、2000年以降の最高値を更新した。

10月からは最低賃金の引上げも行われる。すでに公表されているように全国平均で50円引上げとなり、過去最高の引上げ額となっている。賃上げ余力に乏しい中小企業においては深刻な影響が懸念される水準と言えるだろう。今後は同業他社はもとより、隣接する他の都道府県との賃金格差が大きければ労働力が流出する事態も予想される。

多くの中小企業にとって、増加するコストを商品やサービス価格に適切に転嫁することは容易ではない。しかし、それを実現できなければ企業の存続に関わる大きな問題となるだろう。9月は価格交渉促進月間だ。人件費やエネルギーコストなどの上昇分を価格に転嫁できるようにしっかりとした交渉が求められている。

■参考:厚生労働省|2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)|

https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/058.pdf