岸田文雄首相は総理大臣官邸で第11回GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議を開催し「我が国のグリーン・トランスフォーメーションの加速に向けて」とのテーマで議論した。
提出された資料では、これまでのGXの推進状況についてエネルギー安定供給確保、経済成長、脱炭素の同時実現を目指して2022年夏以降GXの議論が加速、昨年末に「分野別投資戦略」をとりまとめ、足下から今後10年程度のGXに関する方針を提示した。これに基づく投資促進策の具体化やGXリーグの稼働など「成長志向型カーボンプライシング構想」が進み、企業のGX投資の検討・実行が着実に進展していることを表明した。
具体的には、2050年カーボンニュートラルの実現に向け2兆円の基金(現在約2.8兆円)を造成、経営の最重要課題として取り組む企業に対して最長10年間、革新的技術開発を中心に社会実装までを視野に支援する。これまでに20プロジェクトを組成、2兆円を超える支援先が決定、CO2の排出量を大幅に削減する水素還元製鉄などを例に挙げた。
岸田首相は会議の議論を踏まえ「2050年カーボンニュートラルに至る最大の難所を一歩一歩登っていく。そのために官民で共有する脱炭素への現実的なルートを示す」と述べた。
■参考:内閣官房|GX実行会議(第11回)我が国のグリーントランスフォーメーション実現に向けて|
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/dai11/index.html