経済同友会は「人手不足時代の中堅・中小企業政策~生産性向上に向けた合従連衡と労働移動の促進~」と題する政府への提言をまとめた。提言は6つの具体的施策を示し、その中で官民が共同出資し、成長性のある企業の事業承継支援に特化した「株式会社中堅・中小企業事業承継機構」(仮称)の設立を打ち出した。
同機構のスキームでは、まず国・民間企業が機構に出資、機構は、成長性のある中堅・中小企業の株式買い取りあるいは必要に応じて経営管理やガバナンス向上策を示す。その一方で、事業の恒久的保有者(従業員・現経営陣・社外の第三者等)と当該中堅・中小企業によるマッチング支援を行い、事業承継の成立を図るとしている。
他の具体的施策では、成長にコミットする企業への経済的支援(補助金等)に転換すべきだとして、親会社が戦略的に子会社や自社の事業の一部を切り出して新会社として独立させるカーブアウトや事業の売却に対する経済的支援を検討するよう求めた。
また、プロフェッショナル人材の採用支援も必要だとし、地域の中堅・中小企業、地域金融機関、REVICareer(地域経営人材マッチング支援として整備されたプラットフォーム)、大企業等の間で求人依頼・人材情報登録・検索などを行う事業を提案している。
■参考:経済同友会|人手不足時代の中堅・中小企業政策 ~生産性向上に向けた合従連衡と労働移動の促進~|
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2024/240405.html