免許保有しない宅地建物取引業 個人・法人の公訴事実の同一性

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個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因との間に公訴事実の同一性が争われた事例。
最高裁判所は所論に鑑み、本件起訴に係る訴因の要旨は、「被告人は、免許を受けないで、業として、建物賃貸借契約の媒介をし、もって免許を受けないで宅地建物取引業を営んだ」というが、検察官は第1審において、「被告人は、免許を受けないで、」とあるのを、「被告人は、株式会社Aの代表取締役であるが、同会社の業務に関し、免許を受けないで、」に改める旨の訴因変更を請求し、第1審裁判所はこれを許可して変更後の訴因に係る事実を認定したものである。

以上の両訴因は、被告人が個人として宅地建物取引業を営んだのか、法人の業務に関し法人の代表者としてこれを営んだのかに違いはあるが、被告人を行為者とした同一の建物賃貸借契約を媒介する行為を内容とする点で事実が共通しており、両立しない関係であり、基本的事実関係において同一であるということができる。したがって、両訴因の間に公訴事実の同一性を認めて訴因変更を許可した第1審の訴訟手続に法令違反はなく、第1審判決を維持した原判決は正当であるとして上告を棄却した。

■参考:最高裁判所|個人・法人での免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因との間に公訴事実の同一性が認められた事例(令和5年10月16日・第一小法廷)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=92433