勤労者皆保険実現への動き 社会保障制度が大きく変わるか

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従来、社会保険の加入要件はフルタイムで働く正社員やその4分の3以上勤務するパートやアルバイトだったが、企業規模別に週20時間以上働くなどの一定の条件を満たした労働者も加入対象に加える改正が行われている。

先般行われた「全世代型社会保障構築会議」では「働き方に中立的な社会保障制度の構築について」議論が行われた。働き方の多様化が進んでいる中で、誰もが安心して希望通りに働くことができる社会保障制度の構築が必要であり、そのためには個人事業者、短時間労働者などにかかる各種の適用除外を撤廃し、働き方や勤務先の企業規模・業種にかかわらず健康保険や厚生年金保険が適用されることを目指すべきだとしている。

5人未満を使用する個人事業所、週20時間未満の労働者、フリーランス・ギグワーカーもその対象として検討対象となる。実際問題として、勤労者皆保険の実現には社会保険における「扶養」という制度がボトルネックの一つになるだろう。所得税との兼ね合いもあり、一足飛びに進むかどうかは疑問ではあるが、それでも保険料の負担がない扶養という制度を維持するには財政的にも厳しいことは事実。企業負担増にもつながるため、今後の議論の行方に注目が集まっている。

■参考:厚生労働省|全世代型社会保障構築会議 議論の中間整理(概要)|

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai7/sankou2.pdf